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盛和塾最後の世界大会で稲盛塾長のご講話 1

投稿日時:2019/07/30(火) 15:16rss

今年で最後の盛和塾世界大会2日目 稲盛塾長は欠席でしたが
45分間 の塾長講話が代読で流されました。

素晴らしい感動的な内容に涙が溢れました。
今でも感動の余韻が魂を揺り動かしています。

「従業員とフィロソフィーを共有するにことについて、私が大切だと考えていること」
「フィロソフィーとは、どんなものなのか?」 について稲盛塾長は熱く語られました。

 フィロソフィーとは、素晴らしい人生を生きるための人生哲学であり、経営哲学です。

フィロソフィーの始まりは、松風工業時代の劣悪な研究環境の中で素晴らしい成果を
上げていくには、「どういう心構えで人生を生き、仕事にあたるべきか?」を苦しみ
ながら、考え抜いたことを研究ノートの端に記録していきました。

 京セラの創業の頃から、人生や仕事の要諦というものを書き溜めて、書き足していく
ようになりました。それを原型でまとめ直したものが『フィロソフィー』なのです。

こうして、現在のフィロソフィーの中核を構成する概念を作りました。

私は、こうした考え方を自分の生きる信念として実践すると同時に、従業員と共有する
ことに務めました。

 しかし、それは、こういう考え方でみんなが働いてくれれば、会社の業績が良くなると
いう打算ではありませんでした。 
 ベースとなったのは、 「みんなに幸せになってほしい」という純粋な想いでした。
「こういう考えを持っていれば、充実した幸せな人生を送ることができるはずだ」と
思っていたのでそれを伝え語ったのです。

 多くの挫折やたくさんの苦労をしてきました。
旧制中学校の受験には二度失敗、大学受験や就職試験でも失敗し、やっとのことで、
いまにも潰れそうな会社に入りました。 そのような試練や苦い経験の連続の少年時代、
青年時代を過ごしてきました。

 フィロソフィーの原型となる考え方をもとに、一心不乱に目の前の仕事に集中して
遭進することで、人生が拓けていったのです。 

 より善く生きようとするピュアな考え方は素晴らしい運命を作っていく力を持 っています。 
 ジェームズアレンは、「清らかな人間ほど、どんなに困難に見える目標も目的も、汚れた
人間よりもはるかに容易に達成できます」と語っています。
  なぜ純粋で美しい心から発したフィロソフィーが偉大なパワーを発揮するのでしょうか?
それは、宇宙の善なる意思が流れており、宇宙の善なる意思と合致することで成長発展して
いくからなのです。

 フィロソフィーは知識のままでは、ほとんど役に立ちません。
「こうしなければならない」という信念にまで高めることで、見識にしていく。
さらに見識を「絶対に実行する」ことで、胆識にしてゆく。 

フィソロフィーをどのように生かすのか要点は4つです。

第1に、最初は真似事でも良いから、自分の考え方のようにそのまま伝えいくこと。
    受け売りでもいいから、一片の疑念を持たずに、真似して自分自身で懸命に
    勉強していかなければなりません。
     私も、松下幸之助さんから頂戴したもの、安岡正篤さんや中村天風さんから
    お借りたものを使っていきました。
    繰り返し説いているうちに自分で語る ことができるようになってゆきました。


第2に、率先垂範し、自ら実践に努める。
    単に従業員に仕事をさせるように駆り立てるために、フイロソフィを説くのではなく、
    誰よりも率先垂範して実践に努めることが大切。
    社長が誰よりも苦労している姿以上に、共感を得ることはありません。
    社長が一番苦労 しなければなりません。

第3に、経営者が本音で語り合うことに努める。
   コンパを活用して、人の心の琴線に触れる。

第4に、自らも学び続ける姿勢を持ち続ける
    少しでも懸命に生きている人と、漫然と生きている人では、人生の結果が違ってくる。
    自分の言動を反省し、最善の努力を続けることが大切。
    一人でも多くの従業員が素晴らしい人生を実現していく。
    それを自分の幸せであるかのように感じることができる。
    たとえ、自分の会社を離れても、素晴らしい人生を歩んでくれれば、それでいい。
    そう心から思えることが大切です。
    従業員が幸せに素晴らしい人生を生きてくれれば、たとえ会社を去ることになっても、
    良いと思うこと。
    深い愛情を持って、彼らを幸せにするという気持ちでいれば、必ず、経営者自身
    も素晴らしい人生を送ることができるはずです。


最後に感謝の言葉で

「盛和塾はことし12月をもって幕を閉じることになります。
しかし、これからもフィロソフィを学び続けると同時に、そのフィロソフィを従業員と共有し、
会社を健全な発展に導くことを通じて、ひとりでも多くの人を幸せにしていくという
皆さんの経営者の使命に変わりはありません」

「盛和塾のおかげて、私は直接お目にかかれない塾生の皆さんの企業に勤めている
従業員とその家族も含めて、間接的に人々を幸せにするお手伝いができたのではないか
と思います。
つまり、そのような大いなる利他行に努める機会を皆さんが私に与えてくれたと思うのです」

「盛和塾が終わろうと、私の心のなかにソウルメイトである皆さん塾生は生き続けます。
同じように、皆さんの今後の経営に、私のフィロソフィが生き続けることを願い
最後の盛和塾世界大会を結ぶ言葉とさせていただきます。
本当にありがとうございました。

会場が一体となる感動の嵐と鳴り止まない拍手に感極まりました。



枚岡合金工具株式会社
古芝保治拝
 

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1949年3月 大阪市生まれ。桃山学院高校卒業後、30年間自社の金型設計・製造に携わるかたわら1983年より自社の販売・受発注管理システム独自に開発2001年よりISO9001工程認証システム等統合管理ソフトを開発。現在、金型の他、現場のアイディアを生かした「デジタルドルフィンズ」事業を立ち上げ...

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