「カイゼンも二刀流」
―川村義肢株式会社 川村慶社長ご講話より

9月18日、大阪天王寺区倫理法人会のモーニングセミナーにて、川村義肢株式会社 川村慶社長より「カイゼンも二刀流」というテーマでご講話をいただきました。
 

　世界一“愛される”会社を目指して

お父様が掲げた「世界一の会社」という目標をさらに進め、
川村社長は“世界一愛される会社”を目指しておられます。
「恋」と「愛」の違いを例に、恋は一時的な感情であり、
愛は相手の欠点すらも受け入れる真心だと語られました。
結婚生活にたとえ、「欠点すら愛おしい」と思える関係こそが
真の愛であると説かれたのが印象的でした。
 

　三世代が同時に働ける会社へ

社員の子どもが入社するようになり、次の夢は“祖父母・親・孫”の
三世代が一緒に働ける会社にすること。
「心は先行する」――だからこそ、夢や目標を公言し続けることの
大切さを強調されました。

 

　いじめや戦争をなくす仕事

義肢の製作を通じて、子どもたちに善悪の判断基準を伝えたい。
利益や損得でなく“善悪”で物事を判断することの大切さを、対人地雷の
例を用いて語られました。この夢は社員からも共感を得ているそうです。
 

　倫理法人会に入会前の会社の姿と変革

かつての会社は職人気質が強く、男尊女卑の風潮、セクハラやパワハラも横行。
女性社員が次々と辞め、指示待ち文化や悪しき商習慣も残り、二度も倒産の
危機に直面しました。
その苦境を打開するきっかけとなったのが、倫理法人会との出会いでした。
 

　会社を変えた6つの習慣

1. １、先手の挨拶 ― 気づいた人から挨拶し、ひと言添えることで関係が深まる。
    

2. ２、笑顔 ― 意識して鍛えなければ失われる。変顔でも良いから笑う練習を。
    

3. ３、決済時の声かけ ― 不備を指摘する前に、まず褒める。
    

4. ４、日常の習慣 ― 食器洗い、神棚礼拝、履物を揃える（他人のものまで）。
    

5. ５、前向きな言葉 ― 「強引」→「決断力と実行力がある」など言い換え。
    

6. ６、朝型生活と即時実践 ― 目が覚めたらすぐ動く。朝は集中できる時間。
    

　
　トップが変われば会社が変わる

業績不振や不正の原因は、社長自身の言動にあった。
かつては怒鳴り散らす社長だったが、朝の学びを続ける中で姿勢も言葉も
変わり、社員から「社長が変わった」と喜ばれるようになったとのこと。
トップの変革が組織を大きく変える実例でした。
 

　対立と成長

会議を鍋料理にたとえ、一度煮立てて灰汁（問題点）をすくうことで
良い答えが出ると解説。　　

相反するものが調和することで「生成発展」が生まれる。これは
松下幸之助翁も説いた考え方です。

 

「二刀流」―PDCAとOODA

• PDCA：
  計画・実行・評価・改善。数ヶ月～1年単位の計画に有効（例：給食の献立表）。

• OODA：
  観察・状況判断・意思決定・行動。即時性が求められる場面に有効（例：子どもが「肉が食べたい」と言えば、すぐにハンバーグを作る母親の対応）。

この二つを状況に応じて使い分ける「二刀流」が、現代経営には不可欠である
 

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