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掃除は人を育てる最高の実践教育

投稿日時:2006/09/04(月) 21:24rss

9月1日に、業界の研修会の初企画として岐阜県恵那市にある
東海神栄電子工業㈱さんを訪ねました。

掃除は、人を育てる最高の実践教育
~職場が変り、気力がみなぎり、改善が進む~

と題して田中義人社長さんの”掃除”によって会社を変革されて
さらに社会貢献活動として「日本を美しくする会」の生き生きした
活動の様子を拝聴しました。

東海神栄電子工業㈱さんは、プリント基板の設計・製造を生業に
されておられる企業で、時代の流れに乗って急成長され、いつしか
”儲けること大きくすることが最大の目標になり、利益第一主義
外部依存体質、結果主義の会社に体質が変わっていかれました。

しかし、平成3年11月23日勤労感謝の日に、イエローハットの
鍵山秀三郎さまとのご縁により経営の誤りに気づきを得られます。
その誤りとは、利益・売上・規模拡大は経営の目的ではなく手段
方法であり、大きな勘違いをしていた。利益第一主義の弊害として
外注依存体質による技術力の低下、育たない人材、不適合の増加
社内コミュニケーションの低下など、環境の変化に対応できない
”うどの大木”体質だったそうです。そこにバブル崩壊の試練も待ち
うけていたのです。

まずは、お一人で自宅前の市神神社の境内を掃除する内に、地域
に協力が現れ、子供たちまでがゴミを捨てなくなり、住民のマナーが
変わり、ゴミの量も日増しに減っていかれたそうです。

ある日の早朝、その境内を竹箒で幾重にも筋を入れ一息いれ、トイレ
掃除を終えて出てきたときに、太陽の光がその筋を通り、神社が光り
輝き浮かび上がって見えたそうです。
「掃除によって、場が生きてくる、人が生きてくる」事を体感されるのです。

「人は、行動を起こして初めて局面を変えることができる。
悩んでいても。愚痴を言っていても何も変わらない。
すべては、一人から始まる」
「人間は、環境の影響を受けるが
人間は、環境を作ることも出来る」

経営とは
時代の変化と共に変革する上部と
どのような時代にあっても変えることのない下部がある

その下部とは、樹木にたとえると土壌であり
掃除によって、会社をよくする土壌をつくることになります。

トップの仕事として、日常業務は部下に任せ
働きより職場環境づくりと会社の方向性(目的)に集中されたそうです。

その結果として
1億円の投資をした機械は、当初、不良品の山で毎月深夜残業のうえ
赤字が続いていましたが、清掃することにより、不良率が減少し、定時に
帰れるようになり、機械の償却も6年のところ17年も稼動し、品質も
向上されました。

電機掃除機を手に持たれ
「以前の会社は、掃除をしない電機掃除機のようでした。
フィルターが詰まっているので、音はうるさい、異臭はするは、吸引す
る力はない状態でした。しかも掃除に時間が掛かり、電気代も余分に
掛かる状態でした。」
「フィルターをいつも綺麗に掃除することにより、音は減少、熱の発生が
なく、吸引力が見違えるようになりました。

掃除の効果として
効率、生産性
運営経費
修繕費
不良率
耐久性
精度保持
など「企業に例えると”ローコスト経営”と財務体質が変わってゆきました。」

その結果として
自己資本比率が65%に伸び(年々伸びているそうです。)
当座比率     3,8倍、現金預金が増えています。(1,5倍が優良企業)

掃除活動の成果として
社員一人ひとりが自ら自分の価値を見出し
部下を生かすリーダーが育ち
工程の流れが良くなり品質が向上
生産効率がアップ、工夫が生まれ改善が進み
ローコスト経営体質となり、
財務体質が良くなりました。

平成5年11月7日に、恵那市にて「大正村清掃に学ぶ会」が生まれ
今、全国的な活動を展開され、ボランティアで”日本を美しくする会”の
会長までされ、掃除文化の普及に尽力されておられます。
昨年はブラジルにて5000名が参加する世界大会イベントも開催、
台湾、中国にも活動の輪が広がっています。

宮城全国大会の前日にかかわらず、関西超硬工業会のために貴重な
お時間を割いて講演と現場のご案内、質疑応答まで頂き大変有難く
心より感謝をしております。

ツキを呼ぶ「経営革新」成功のポイントにも関連記事を書きました。

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1949年3月 大阪市生まれ。桃山学院高校卒業後、30年間自社の金型設計・製造に携わるかたわら1983年より自社の販売・受発注管理システム独自に開発2001年よりISO9001工程認証システム等統合管理ソフトを開発。現在、金型の他、現場のアイディアを生かした「デジタルドルフィンズ」事業を立ち上げ...

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